| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA3-178 (Poster presentation)
コンブ藻場を含む海藻藻場、アマモ場やサンゴ礁に代表される沿岸底生生態系は多様な生物の生息場所になると共に、炭素固定、生物生産性などの生態系機能も高いことが知られている。しかし近年、水温の上昇が主要因と考えられる磯焼けや白化などにより、その面積が著しく減少し、それに伴う生物多様性や生態系機能の低下が懸念されている。そのため、これら沿岸生態系の特徴を多面的に評価し、重要な保全地域を選定することにより今後の気候変動に対処することが必要となっている。本研究では、独立行政法人海洋研究開発機構による海洋生物のデータベースBISMaLに登録されている種の出現データ、および環境省や北海道庁が過去に行った藻場分布調査等をもとに、北海道沿岸のコンブ目の海藻藻場を対象として、その唯一性、絶滅危惧種、脆弱性、生物学的生産性、生物学的多様性、自然性を考慮したThe Ecologically or Biologically Significant Areas (EBSA) の選定を行った。その結果、道東太平洋岸は唯一性、生物学的多様性など多くの項目で高いランク付けがされた。総合評価でも道東太平洋岸は知床、道北地域とともに重要海域が多いことが明らかとなった。本研究成果は、環境省環境研究総合推進費(S9)および水産庁委託事業によるものである。