| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB3-106 (Poster presentation)

マレーシア・ボルネオ島における地域住民参加による熱帯雨林再生活動を通じたESDの取り組み

*小倉亜紗美(広島大・国際セ), 新井卓司(日マ協会), 冨岡丈朗(日本大・国際), 森嶋彰(広島修道大)

2002年に開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグサミット)」で日本が「ESD(Education for sustainable development、持続発展教育)の10年」(実施期間2005~2014年)を提言し、国連総会にて採択された。それを踏まえ2008年に小学校・中学校に、2009年に高等学校に、文部科学省により公示された学習指導要領にもESDが明確に位置付けられ、義務教育においてもESDが促進されている。そこで、1995年より(社)日本マレーシア協会がマレーシア・ボルネオ島で行っている熱帯雨林再生活動を通じて行ったESDの試みを報告する。

マレーシア・ボルネオ島を初めとする東南アジアの熱帯雨林は、アジア諸国の経済発展が進んだ1960-1980年代にその多くが伐採され消失した。そこで、(社)日本マレーシア協会は,マレーシア・サラワク大学(UNIMAS)と植林地域の先住民と共に1995年からマレーシア・ボルネオ島で熱帯雨林再生活動を実施してきた。本取り組みは,2011年度から2013年度に(社)日本マレーシア協会が地球環境基金の助成を受けて実施したもので、日本の小学校・高等学校の生徒にマレーシアの森林減少とそれに日本が与える影響、また日本の生活とのつながりを伝え、マレーシアの先住民の子供等が通う小学校・セカンダリースクールの子供たちと絵やビデオレターの交換を通じて具体的な交流を行ったことで、国際理解・環境保全への理解を深めた。

今後、日本の小学校・中学校・高等学校におけるESDへの実践的な協力を求められる機会が増えることが予測される中で、本取り組みはそのモデルの一つとなるであろう。


日本生態学会