| 要旨トップ | ESJ61 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
シンポジウム S02 -- 3月15日 9:30-12:30 B会場
近年、インターネットや情報科学・機械工学の発達により、様々なビッグデータが創出されている。ビッグデータとは、日々蓄積されていく、構造化されていない膨大な量のデータのことで、生態学では特に、生物の分布・行動・形態・遺伝情報、環境情報に関するものが当てはまる。このようなビッグデータを使用することで、これまで不可能だった網羅的な解析などが可能となるため、ビッグデータに対する期待が高まっている。しかし、生態学においては、遺伝情報については研究が進んでいるものの、ビッグデータを有効に活用できている研究がまだ少ないように見える。原因の1つに、すでに存在するビッグデータが生態学で重要とされる情報を含んでいるとは限らないことがあげられる。重要とされる情報を含んでいたとしても、膨大な情報から必要とされる情報だけを抽出する必要がある。また、膨大な情報を統合・解析する際には、様々な問題が生じる。これからは、新たな生態学の知見を得るために、ビッグデータを創出、抽出、解析する需要が増えていくと考えられ、生態学者がビッグデータに関する知識を身に付けることが急務となっている。
そこで本シンポジウムでは、生態学の研究者に加えて、情報科学やロボット工学、細胞学で活躍されている研究者をお招きし、ビッグデータの創出、抽出と解析について講演していただく。ビッグデータの活用は他分野でより進んでおり、ビッグデータを利用して研究する際は、生態学だけでなく、他分野の研究者との共同研究が効果的だと考えるためである。本シンポジウムでの他分野の研究者の方々のお話から、生態学における新しいビッグデータ研究のヒントや共同研究が生まれることを期待したい。
[S02-1] 生態学・進化学に必要なビッグデータとその利用法とは
[S02-2] ロボット技術を用いたリアルワールドの計測と解析
[S02-3] 携帯フォトシステム・Web上の写真を利用した生物分布情報の抽出
[S02-4] ゲノムから細胞動態への理解:計測とデータ統合
[S02-5] 生態学におけるビッグデータの利用法、その勘所