| 要旨トップ | ESJ61 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
企画集会 T16 -- 3月16日 18:00-20:00 F会場
ユネスコの政府間プログラム「人間と生物圏(Man and the Biosphere;MAB)計画に基づくユネスコエコパーク(「生物圏保存地域(Biosphere Reserve; BR)」の日本での通称)は、自然保護区であるが人を排除せず、自然資源の持続的活用による地域振興を促すことで、保護価値の高い生態系や生物相を地域の住民や行政が主体的永続的に守る意識を育むことを目指す制度である。117カ国621地域が指定されている。日本では現在、5ヶ所の登録地 (志賀高原、白山、大台ケ原・大峯山、屋久島、綾)、ユネスコに推薦中の2地域(只見、南アルプス)、申請を検討している複数の地域が存在する。
日本MABは長年休眠状態にあったが、2011年の理事国復帰、2012年の綾BR登録を契機に急速に制度の再設計が進んでいる。各国の多様な運用実態と比べ、日本では市町村自治体が申請・運営主体となり、研究者や関係省庁が縦横の枠を超えて支援を行う形が確立しつつある。人口数千人規模の市町村であっても世界ネットワークに繋がることで可能性が生まれ、中山間地問題の解決手段の一つとして期待されている。本集会の講演と議論を通じ、より多くの生態学者や生態学を学ぶ学生がこの制度の進化に参画することを期待したい。
以下の講演に続き議論「日本型ユネスコエコパークの可能性」(司会 松田裕之)を行う。
[T16-1] ユネスコエコパーク概論
[T16-2] 宮崎県綾町の栄光~世界が注目するモデル地域
[T16-3] 福島県只見町の決断~自然首都宣言からユネスコエコパークへの道
[T16-4] 対馬での静かなる革命
[T16-5] ネットワークを統御する~国際自然保護規範を対象とした重層的環境ガバナンスの比較研究