| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(口頭発表) B1-18 (Oral presentation)
浮遊土砂量の時間変化を支配する要因は様々であり、複雑に関連し相互に影響しあっている。その結果として、浮遊土砂成分は、山地で生産され、河道へと運搬されるという特徴がある。本研究では、中でも流水により河口へ運ばれることに着目し、流量と浮遊土砂量を関連付けて考え、流量~SS濃度の関係式(L-Q式)により広域的に評価する方法を採用した。
すなわち、土地利用分布などに基づき、全国を8つに分割し、分割された代表的な地域においてL-Q式を作成し、さらに、流量の連続観測データを用いることによって浮遊土砂量の推定を行った。具体的には、国土交通省が公開している河川流量とSS濃度の観測データを用いて、日本全国の河川ごとのL-Q式を最小対数二乗平均誤差法により設定し、推定されたパラメータ及び河川ごとの日流量の年間データから全国の8河川において日単位の浮遊土砂量を推定した。
本解析の結果、ここで推定されたパラメータは各河川の特徴を表現していることが示され、各地域により異なる特性を有する流量~SS濃度の新しいダイアグラムを関係式より作成した。さらに、国土数値情報による土地被覆データを用いて、各流域における土地被覆の面積の割合に対する流量~SS濃度の関連性についても考察を行った。