| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA1-182 (Poster presentation)
森林生態系が攪乱を受けると、様々な生態系機能にも影響が及ぶ。中でも土壌は生態系機能の発現において重要な場であり、土壌が流失した場合その影響は長期(数十年以上)におよぶ場合があることが報告されている。攪乱とその生態系機能への影響を理解することは、今後の生態系保全や土地利用の変更において重要な基本的情報となる。
そこで本研究では、森林伐採等により土壌が流出・裸地化し約100年前に植林されたヒノキ人工林と、ヒノキ人工林より10km以内であり過去からの植生、気候および母材が同質であるが攪乱を受けていないと考えられる天然生ヒノキ林において、重要な生態系機能のひとつである土壌窒素動態の現状を把握した。
調査の結果、裸地化を経験したヒノキ人工林の土壌では、天然生林に比べ無機態窒素量や窒素無機化ポテンシャルが半分以下と低く、植栽後100年以上を経ても土壌侵食の影響が残存することが示唆された。