| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA1-202 (Poster presentation)
森林生態系の栄養塩循環は、植物と土壌の相互作用によって成り立っている。土壌での有機物分解と、それによる土壌への栄養塩供給は、温度や水分量によって影響を受ける。植物の栄養塩再吸収は、土壌の栄養塩利用可能性の影響を受け、土壌へ供給するリターの化学組成が変動する。リターの化学組成によって、分解のされやすさは異なる。これらのことから、近年の気候変動により、栄養塩循環は影響を受けると考えられる。この研究は、気候変動が森林の栄養塩循環に与える影響を予測するための基礎として、異なる温度条件、水分条件の地点でブナの窒素再吸収現象と土壌でのリター分解を調査し、それらの条件によりブナ林の窒素循環がどのように変動するのかを明らかにすることを目的とした。
青森県八甲田山において、標高275~967mにわたり、50mおきに、水分環境に違いが出るように2か所ずつ、計28か所のプロットを設定した。各プロットで、ブナ生葉の採取、リタートラップによるリターの採取、コアサンプラーを用いた土壌の採取と、リターバッグを用いたリター分解実験を行った。
それぞれの分析の結果と、温度、水分環境との関係から、それらがブナ林の窒素循環に及ぼす影響について発表する。