| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA2-035 (Poster presentation)

東海地方のフモトミズナラとその近縁種の遺伝的変異

*玉木一郎(岐阜県森文ア),大洞智宏(岐阜県森林研),大澤隆文(ダルハウジー大),松本麻子(森林総合),齊藤陽子,井出雄二(東京大)

フモトミズナラはブナ科コナラ属の樹木で東海地方や北関東の一部の低標高地域のやせ地に生育する希少樹種である。その外観から大陸に分布するモンゴリナラであるとする説やミズナラの低標高型であるとする説もあり,分類学的位置づけは明確でない。本研究では東海地方のフモトミズナラ自生地を網羅する25集団と,同所的に生育するコナラ25集団,近隣のミズナラ4集団を研究対象とし,核マイクロサテライトの変異を調べた。分布の中心域の集団のデータを用いた予備解析の段階では,フモトミズナラは普遍種であるコナラとほぼ変わらない,もしくは少し高い遺伝的多様性を示した。また,集団間の遺伝的分化はみられなかった。今後,分布の周縁部の集団の解析を進め,遺伝的多様性の程度や遺伝的分化の程度を中心域の集団と比較する予定である。また,デモグラフィ解析を行い,経てきた歴史を種間で比較する予定である。


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