| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA2-130 (Poster presentation)
土地利用・被覆変化は生態系機能・サービス供給に影響することから、土地被覆図を基にした生態系サービスの広域評価が行われる。広域評価では衛星画像から推定された土地被覆図を用いることが一般的であるが、詳細な植生分類については衛星画像からの判断が困難な場合が多く、特に生物多様性機能の評価ではより詳細な区分および解像度を持ったデータ整備が課題である。この場合インベントリデータの活用も有効であり、国内においては環境省が1970年代から継続している植生調査の結果をポリゴンデータで公開している(環境省生物多様性センター:http://www.biodic.go.jp/)。本データは空中写真、衛星画像および植物社会学調査に基づいて905分類の植物群落の分布を示しており、詳細な植生変化の変遷をみることができる。そこで本研究では1979年から1986年にかけて行われた第2‐3回植生調査データと1994年から1998年にかけて行われた第5回植生調査データを用いて、2時期における特徴的な植生変化を抽出する手法の検討を行った。検証範囲は茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川の1都6県を含む関東都市圏を設定し、ポリゴンデータを100mメッシュに変換した。(1)905分類の植生図を通常の大分類項目に統合した植生図と(2)クロス集計法による変化プロセスに基づいた分類手法によって統合した植生図を用いて、2時期の植生変化の違いを検証した。その結果、通常の大分類項目の植生図では、複数の変化プロセスが検出されなくなる可能性が指摘された。