| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB1-103 (Poster presentation)
攻撃が起きた直後に、被攻撃個体が関係のない第三者個体を攻撃することがあり、八つ当たり行動(redirected aggression)と呼ばれている。その機能として、周囲の個体に自分の強さを示し、他個体から攻撃を受けにくくしている可能性がある。一方、個体が過度に攻撃されると、他個体を攻撃する時間的・エネルギー的余裕がなくなり、八つ当たり行動の頻度は減少すると考えられる。本研究では、タンガニイカ湖に生息するカワスズメ科魚類(シクリッド)であるジュリドクロミス•レガニ(Julidochromis regani)を対象に、八つ当たり行動の頻度を決定する機能とその決定要因を調べた。実験では、体長が異なる同性3個体間(大きい順に優位個体、対象個体、劣位個体)で順位関係を形成させた後、個体間の攻撃行動を記録した。そのデータから(i)優位個体と対象個体との体長の差と攻撃頻度の関係、(ii)対象個体が攻撃された頻度と劣位個体に八つ当たり行動を行った頻度の関係を検証した。