| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB2-177 (Poster presentation)
八郎湖は1977年の国営八郎潟干拓事業後、徐々に富栄養化が進行し、水質汚濁が行政上の課題となっている。秋田県は八郎湖環境対策室を設置し、水質保全施策を実施するとともに、2007年には環境大臣が湖沼水質保全特別措置法に基づく水質環境基準値の確保が緊要な指定湖沼に指定した。しかし、2012年にアオコが大発生し、八郎湖の水質は過去最悪の数値となっている。
本研究では、1982年から現在まで八郎湖における水質モニタリングを実施してきた。その結果、2006年以降のリン濃度が増加傾向を示し、2012年の八郎湖湖心では0.38 mg/L となっている。また秋田県の既往調査により、大潟村干拓地南部の排水路において、リン濃度が約2 mg/L を超過している排水路が発見され、このリンは、八郎湖に流入する総リン負荷量に対する割合が約26.5%と試算されている。この原因として、干拓地南部の方上地区周辺における高濃度リン含有地下水の存在が指摘されていることから、地下水中のリン調査を実施した。その結果、約3.7~26.9 mg/L の濃度であり、現在も高い濃度を維持していることが判明した。