| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB2-179 (Poster presentation)
生物多様性基本法において、その策定が努力義務とされた「生物多様性地域戦略(以下「地域戦略」という。)」では、都道府県及び市町村は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画を定めることが求められている。地域戦略に必要な要件には、①対象とする区域、②目標、③総合的かつ計画的に講ずべき施策、④その他、施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項、がある。このうち①と④に関連した取組として、対象とする地域(都道府県または市町村域)を自然的・社会的状況の特性に応じて区分し(地域区分)、その特性に応じた目標、あるいは将来像が設定されることが多い。生物多様性の保全と持続可能な利用の基礎となる地域区分は、的確な目標設定のために非常に重要な意味を持つにも関わらず、現時点で明確な基準が示されていない。
そこで、本研究では、各地で設定された地域区分に関する情報を収集し、その区分と、生態学的に意味のある地域区分(集水域、地形区分、植生区分など)や生態系サービスに関わる地域区分との対応関係から類型化を行い、今後の地域戦略の策定、あるいは改訂の段階で地域区分を設定する際に必要な視点としての整理を試みた。