| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB2-205 (Poster presentation)

水稲の不耕起V溝直播栽培による連作が水田雑草群落組成に及ぼす影響

*伊藤浩二, 中村浩二 (金沢大・里山里海プロジェクト)

水稲の不耕起V溝直播農法(以降V溝農法)は、2000年頃から中部地域を中心に基盤整備後の水田地帯で普及が進んでいる、省力型水稲栽培法のひとつである。本農法は石川県珠洲市においては、①苗箱施薬処理(殺虫剤・殺菌剤)を行わず、入水前に非選択性除草剤を散布する、②入水時期が慣行移植栽培より1か月ほど遅れる、③中干しを行わない、④稲の収穫時期が慣行移植栽培より1か月ほど遅れるなど、慣行移植栽培とは異なる特徴を持つ。これまでの研究からV溝水田には慣行水田と異なる水田植物群落が成立することが分かってきたが、その生物多様性保全効果を評価するには、V溝農法で連作した場合の影響についても検討する必要がある。

そこで石川県珠洲市N地区において2008年から6年間V溝農法で連作されている8区画の水田において、4年間の種組成の変化とその要因を植物種特性の観点から検討した。2010-2013年までの各年、水稲収穫前の8月下旬から10月上旬にかけて、水田内に複数方形区を設けた植生調査の結果から、優占種および希少種の出現傾向の変遷、ならびに多変量解析による群落組成変化について報告する。


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