| 要旨トップ | ESJ62 自由集会 一覧 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


自由集会 W11 -- 3月19日 18:00-20:00 A会場

データ解析で出会う統計的問題: 時間の長さ・時系列データの統計モデリング

企画者: 粕谷英一, 久保拓弥

この集会では生態学における「時間の長さのデータ」と「時系列データ」のデータ解析について議論したい。

「時間の長さデータ」の例としては、観察している対象生物が「死ぬまでの時間」あるいは「ある行動・状態が持続する時間」の長さがあげられる。これらの長短を説明できそうな要因の効果などを知りたいときに、どのような統計モデルを作ればよいだろうか。時間の長さデータの特徴として「時間の長さは常に非負」「調査を途中でやめる場合がある(うちきり)」などがあり、これらを考慮したデータ解析法は(生死データでない場合でも)生存時間分析とよばれる。カプラン・マイヤー法、比例ハザードモデル、パラメトリック回帰モデルなど、さまざまな生存時間分析の方法を比較しつつ説明するとともに、生存時間分析の基本となるハザード関数や生存関数などについても述べる。

次に「時系列データ」の解析について検討する。時系列データとは、同じ個体・調査地などから一定期間内に何度も調査をくりかえして得られる、時間軸にそった観測値である。観測対象はひとつの場合も複数の場合もある。この時系列データに対して、たとえば「観測日時」あるいは「調査地気温の時系列データ」などを説明変数に指定して直線回帰、その結果として「近年の温暖化の悪影響」などを発見しようとする方法は「あぶない」といった例の紹介から検討する。時間相関なども考慮した統計モデルのあてはめによって「あぶない」結論を回避する方法を議論したい。

* この自由集会の web page: http://goo.gl/LK9q4g

[W11-1] 時間の長さを分析する  粕谷英一(九州大・理)

[W11-2] 時系列データの統計モデリング入門  久保拓弥(北海道大・地球環境)


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