| 要旨トップ | ESJ62 自由集会 一覧 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


自由集会 W16 -- 3月19日 18:00-20:00 G会場

景観遺伝学の使い道:初歩から応用まで

企画者: 清川紘樹(東大・農), 大西尚樹(森林総研・東北)

景観遺伝学は2003年にManelらが名付けた分野で、遺伝的変異の空間パターンの形成要因を、小進化プロセスと環境条件の関係から明らかにする学問領域です。景観遺伝学ではこれまで、生物個体の移動障壁の検出や集団の遺伝的連結性の評価が主な研究課題でした。近年では地球温暖化による小進化プロセスへの影響についても調べる試みがあり、今後、進化生態学や保全生物学へのいっそうの貢献が期待されます。しかしながら、当分野の著しい発展とは裏腹に、国内での研究例は驚くほど少ないのが実状です。

本集会では、景観遺伝学に関するいくつかの話題を提供します。まず、近年進展をみせている方法論を中心に、景観遺伝学について概説します。そのあとで3名の演者から、自身の研究内容も含め、保全生態学や系統地理学への適用について話題提供していただきます。集会をとおして景観遺伝学の使い道、現時点での問題点、今後の可能性等を考えてみたいと思います。

企画者・発表者も景観遺伝学を始めて間もないため、試行錯誤の繰り返しです。私たちと同じく初心者の方やこれから始めてみたい方と一緒に情報を共有していきましょう。すでに当分野の研究を進めている方からのアドバイスも大歓迎です。

コメンテータ:宮下 直(東大・農)

[W16-1] 景観遺伝学とは  清川紘樹(東大・農)・大西尚樹(森林総研・東北)

[W16-2] サーキット理論を用いた遺伝子流動のモデル化 -希少樹種クロビイタヤを例として-  *佐伯いく代,平尾章,田中健太(筑波大),永光輝義,大谷雅人(森林総研),日浦勉(北大)

[W16-3] 景観遺伝学的手法による生息地の質と連結性の同時評価とその保全への適用  山中美優(東大・農)

[W16-4] 歴史的な景観変化が地域集団の分布・デモグラフィに及ぼす影響  *阪口翔太(東大院・総合文化),David Bowman,Lynda Prior(タスマニア大),Michael Crisp, Linde Celeste (オーストラリア国立大),津村義彦(森林総研),伊藤元己(東大院),井鷺裕司(京大院)


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