| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(口頭発表) J2-19 (Oral presentation)
Mayのパラドクスに示されるように多種共存のメカニズムは自明ではない.種間相互作用のネットワークトポロジがその理由となりうると提案されている.ここでは大規模生態系を対象として解析的に扱える相互作用ネットワークの構造を考える.最も単純な場合として2パッチで構成され各パッチが同一構成種の群集であるとする.この場合2つのパッチおよびパッチ間の相互作用行列は基本的には同じものであるが,各パッチの違いを反映して異った値をとりうる.そのようなランダム相互作用を持つレプリケータ方程式において解析的に個体数分布を計算した. この結果から共存種数を調べると,パッチ間の相互作用の類似度が小さくかつパッチ間相互作用が小さい場合に多様性が増すことがわかった.このことはパッチ間で相互作用の観点でより多様であり複雑な相互作用ほど多様性が増すという意味でMayのパラドクスに対する解答の1つとなっている.