| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-165 (Poster presentation)
生物の形態における多様性が生み出される仕組みの解明は進化生物学の主要なテーマのひとつであり、様々なメカニズムが解明されつつある。本研究では殻形態に高い多様性を示す淡水産有肺類であるヒラマキミズマイマイ(Gyraulus chinensis)種群を用いて野外における形態多様性の背景を解明することを試みた。まず、端緒として、ヒラマキミズマイマイを含むヒラマキガイ科(Planorbidae)貝類において複数の中立マーカーによる分子系統解析を行い、ヒラマキミズマイマイ種群の分子系統関係を明らかにした。次に、ヒラマキミズマイマイ種群各個体の殻形態形質を測定し、主成分分析により定量化した。最後に、定量化した殻形態と各個体の生息環境の関係性についてGLMMを用いて解析したのち、さらにマンテル検定、偏マンテル検定にて分子系統の影響を検討した。以上の解析からヒラマキミズマイマイ種群における殻形態の多様性は生息環境と密接に関係していることが示唆された。