| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-371 (Poster presentation)

生態系アセスメントにおけるMaxentのパラメータ選択の評価

西林直哉(東京都市大学)*,林悦子(東京都市大学),北村亘(東京都市大学)

2011年の環境影響評価法の改定によって風力発電アセスにおいても生態系項目の影響評価が義務付けられることになった。現在の環境アセスメントにおいての生態系の評価手法については具体的な手法が確立されていないが、地域の生態系に影響のある種を対象種とし、その種の利用頻度分布と事業計画を重ね合わせることで評価する手法が行われている。この時の利用頻度分布は、現地調査による対象種の確認地点などを目的変数、事業地域や対象種の生息条件などを考慮した環境要因を説明変数として、GLMやMaxentといった統計解析を用いることによって算出する手法が多くなされている。しかし、説明変数のデータ構造によって、たとえ同じような情報を持つ説明変数だとしても解析の結果に違いが生じる可能性があることから、説明変数のデータ構造について検討することは有効であると考える。そこで本研究では、風力発電アセスにおいて注目されやすい鳥類の確認位置を目的変数とし、どのようなデータ構造の説明変数を入れるのがモデルとして適しているのか調べることを目的とした。このために生態系アセスメントのなかでも近年用いられているMaxentの解析の特徴について、様々な説明変数の組み合わせでの解析結果の変化を、ロジスティック回帰、ポアソン回帰での解析結果と比較しながら考察した。説明変数には、地形情報4つ、植生情報2つ、林縁情報3つ、その他情報1つの計10項目を用い、全パラメータの組み合わせ(1023通り)に対して解析を行った。その結果、Maxentによる解析では、データの構造によっては結果に偏りが現れる説明変数が見られた。また、同じ組み合わせの説明変数だとしても、ロジスティック回帰やポアソン回帰に比べるとMaxentの方が、モデルの当てはまりの良さを示すAUCは高い結果となった。


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