| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-235 (Poster presentation)
ウオノエ類は魚類に寄生する等脚目の甲殻類で、世界でおよそ330種が報告されている。寄生部位は変化に富み、魚類の口腔、鰓腔、腹腔内や体表など種に固有の寄生様式を示す。また、特定の魚類にのみ寄生する宿主特異性の高い種だけでなく、複数の宿主をもつ種も存在する。本研究では、国内外のさまざまな魚類から採取したウオノエ類について、ミトコンドリアDNAのCOIおよび16SrRNA部分塩基配列にもとづいた分子系統樹を作成し、寄生様式多様化のプロセスを明らかにした。その結果、体表型寄生が祖先的であり、そこから口腔型や鰓腔型寄生が進化したとする従来の説とは異なり、口腔型がもっとも祖先的で、鰓腔型や体表型、腹腔型が様々な系統で独自に進化したという寄生様式多様化のプロセスが推定された。