| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-250 (Poster presentation)
生物資源を利用する場合、「可能な限り収量を最大化し永続的に利用する」という目標が掲げられる。だが、生物資源の中でも水産物は資源の状態を把握するのが難しく、対象となる資源の生態情報が不足しがちである。回遊に関する情報は不足している情報の一つである。そのため正確な資源量の把握と漁獲量の管理が難しい。本研究では、理論モデルから回遊行動を伴う生物を利用する際の漁獲量について検討する。回遊行動を伴う生物を漁獲対象とし管理を行う場合,産卵時期や産卵場所により2つの問題``どこで漁獲が行われるか?"と`漁獲対象となる個体の年齢または体長はどのくらいか?"という問題が起こる。回遊性魚類の場合、この2つの問題は密接に関連する。時期によっては、親子ともども漁獲対象となることもある。
本研究では,回遊生物の漁獲管理を行う場合、どこでどのような年齢の個体を漁獲することが持続的かつ漁獲量を最大にする戦略になるかを検討することを目的とする。方法として、回遊行動を含む年齢構成モデルを構築し漁獲がない場合の個体群動態について解析を行う。その後、漁獲戦略をいくつか検討する。漁獲戦略については未成魚、成魚を漁獲する戦略、また回遊経路上で先に漁獲する場合と後に漁獲する場合などいくつかの漁獲戦略について検討する。また、回遊の情報が少ない場合について、どのような管理戦略が適しているかについても解析を行なう。 以上の解析を行ったうえで最適な漁獲戦略について考察した結果を報告する。特に,管理方策としてどのような管理手法を行えば水産資源として利用できる状態を保つことができるかについて検討を行い考察する。