| 要旨トップ | ESJ63 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
企画集会 T06 -- 3月21日 10:00-12:00 RoomH
温暖化を始めとする気候変動によると考えられる影響が生態系においても顕在化しつつある。IPCCは、今後、最大限の努力を行い温室効果ガスを抑制しても、様々な分野で影響が生じる可能性が高いと報告している。このため、温室効果ガスの排出を抑制する緩和策に加え、気候変化に伴う影響に備える適応策の重要性が増している。国内では、政府が策定を進める温暖化適応計画を契機として、今後、自治体レベルでの温暖化適応策の作成が進むと考えられる。これまで、生態系に関する分野では、温暖化影響の観測や予測に主眼が置かれたきた。しかし、このような社会的ニーズが高まる中で、研究成果を適応策の実装化にどのようにつなげるかが喫緊の課題として持ち上がってきた。
本集会では、日本国内を対象とした温暖化影響予測、温暖化に伴う生態系への影響の経済評価、さらに、地方自治体における温暖化適応の事例として、先進的に取り組まれている長野県の事例について講演頂く。さらに、各講演の中では、成果を適応策の意思決定の場面でにどのように活かせるのか、また、実際の現場では何が問題なのか等について紹介頂く予定である。その上で、国の温暖化政策を進めている環境省の担当者、IPCC報告書の執筆にも関わられた研究者をコメンテータとして交え、適応策実装化に向けた今後の展開について議論したい。
司会:中尾勝洋
コメンテータ:
橋本和彦氏(環境省自然環境局自然環境計画課)国の適応計画の概要と生態系分野への要望
高橋潔氏(国環研)IPCCにおける適応策をめぐる今後の展望
[T06-1] 森林生態系への気候変動影響評価
[T06-2] 気候変動が生態系・生物多様性に与える影響の経済評価
[T06-3] 気候変動を考慮に入れた自然保護対策の構想-長野県における検討状況-