| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
企画集会 T13-5 (Lecture in Symposium/Workshop)
本報告では、保残伐をどのような形で制度に落とし込んでいくのか、つまり保残伐の普及について考えて行きたい。本研究で議論したい点は、1)保残伐は世界各国でどのような形で普及しているのか、2)保残伐を日本の私有林に普及させることはできるのかという二点である。後者については、さらに二つの論点が存在する。一つは私有林で保残伐を実施した場合の支援策をどのように設計するのかという問題であり、もう一つはそのような支援策を森林所有者は実際に受け入れる用意があるのかという問題である。本報告の前半部分では、世界各国での保残伐の普及事例について簡単に整理を行いたい。後半部分では、保残伐の導入によって提供されることになる木材生産以外の生態系サービスの評価事例を紹介し、得られた評価に基づいてどのような支援策が検討できるのかを検討する。一方で、そのような支援策が森林所有者に受け入れられるのかどうかについて、北海道十勝地方で行った森林所有者に対するアンケート調査と森林GISデータを組み合わせた分析の結果に基づいて議論する。