| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-B-072  (Poster presentation)

気候変動シナリオに基づく土地改変と生物多様性の関係性を探る

*小林勇太, 岡田慶一, 森章(横浜国立大学)

近代において生物種の存続を脅かす最も顕著な要因は、生息地改変であるといえる。人間活動の進展に伴って、陸域の約12%が耕作地へ、26%が放牧地へと転換されてきた。植物・哺乳類・鳥類をはじめとする様々な分類群に対して、土地利用変化が及ぼす影響が研究されている。特に近年は、情報科学の発展により、広範囲かつ高解像度での土地利用状況を把握できるようになっているため、全球規模での解析が可能となっている。しかし、大半の研究は土地改変された面積や利用強度に着目しているために、一時点における土地利用状況の影響を考察しているに過ぎず、過去の土地利用遍歴や変化速度を反映した評価はなされていない。
 本研究では、1500-2010年の全球土地利用図より、各10年間に生じた土地利用改変履歴と速度を評価する指標を開発した。また、生物多様性ホットスポット内・外における土地改変指標を比較することで、過去の土地改変と生物多様性の関係性について検証した。さらに、気候変動シナリオに応じた土地利用変化予測により、未認識のホットスポットの検出や将来的な生物多様性損失の危険性を孕む地域を明らかにする。


日本生態学会