| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-B-094 (Poster presentation)
近年,鳥類のさえずり音声を録音し,モニタリングに活用する動きが広まっている.特に,機械的に種を認識させるシステムが急速に発展し,高い精度での識別が可能になった.本研究では,多様性が急速に失われつつある熱帯の鳥類群集のモニタリングに応用することを視野にいれ,識別の前処理段階として長期録音データから自動的にさえずりを抽出することを目指す.そのため,比較的短い音声データを用いて抽出プログラムを実行し,耳で聴いた結果と比較しその性能を評価する.音声サンプルは東南アジア(インドネシア・マレーシア)の熱帯林で録音されたものを用い,セミや雨音などのノイズが少なく,かつ多くの種のさえずりが同時に出現する早朝の音声データ5分以下にカットして解析した.音声データはまず Raven Pro 1.4を用いてリスニングし,さえずりを特定した.MATLAB R2016bを用いたさえずり抽出プログラムでは,ノイズ除去のため500-5000Hzまでの周波数帯でフィルタリングを行い,大津法による二値化により閾値を設定してさえずりを検出させた.検出されたさえずりをリスニングによる結果と照らし合わせ,音声抽出プログラムの性能を評価した.