| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-J-301  (Poster presentation)

植物の揮発性物質のパターンと節足動物群集組成の関係

*米谷衣代(龍谷大学), 川津一隆(龍谷大学), 片山昇(京都大学生態学研究センター, 龍谷大学), 近藤倫生(龍谷大学)

植物の香りは節足動物の行動を制御するはたらきがある。そこで、植物の香りが節足動物の初期移入と定着に影響を与えているかを調べた。京都大学生態学研究センターのヤナギ林に生育するヤナギ属植物6種それぞれから2個体選び、枝を2本ずつ取り挿し木のポット植えを作成した。1か月育てた後、植食者が移入する前の状況として、非食害時の(健全な)植物の香りを捕集し、ガスクロマトグラフ質量分析計で分析・同定を行った。捕集した翌日に、ヤナギ林に隣接した圃場にポット植えの健全植物を置き、節足動物の初期侵入過程を1週間記録した。1つの植物個体が放出する香りは複数の揮発性物質が混ざり合ってできている。本研究では、1つの個体が放出する香りの複数成分の量を多変量と考えて、各個体間の香りブレンドの類似度をBray-Curtis距離を用いて計算し植物種間に違いがあるかどうか比較すると同意に、違いを生み出す主要成分の特定を目指した。また、香りブレンドの類似度と節足動物群集組成の類似度の間に相関があるかどうかも解析した。今回は、これらの解析結果を発表する。


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