| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-O-418 (Poster presentation)
樹木の形状は、光獲得効率と資源分割のバランスを反映している。このため、樹種間における物理構造の違いは、生態的地位の違いを反映しており、この違いが森林における多種共存機構の一因になっていると考えられている。従来の研究において、樹木個体の物理構造は、直径、樹高、生枝下高、林冠幅という単純な数値として扱うことが多かったが、このような情報のみでは、林冠構造をせいぜい円柱状に捨象して捉えることが出来るのみで、構造が比較的似ている近縁種間の比較は困難だった。
近年大きく進歩したライダーによる森林構造測定技術は、短時間で大量の距離データを集め詳細な森林の3次元構造を測定できるという点で革新的であるといえるが、その空間解像度は少なくとも林分レベルであり、樹木1個体を対象にした研究は少ない。
本研究では、汎用性の高い地上ライダーを用いて、北方針広混交林において代表的な林冠木であるアカエゾマツとトドマツの樹木物理構造を個体ごとに測定し、種内種間差を議論する。