| 要旨トップ | ESJ64 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
企画集会 T15 3月18日 9:30-11:30 I会場
ユネスコエコパークはユネスコの政府間プログラム「人間と生物圏(MAB)」計画によって指定される国際自然保護区「生物圏保存地域」の日本での通称である。ユネスコエコパークは、自然保護だけでなく地域の自然資本を生かした持続可能な開発のモデルを目指している。日本では1980年に4地域が登録され、2010年頃から制度の本格的な運用が始まった。現在は7地域が登録され、2地域が審査中であり、さらに複数地域が申請を準備中である。
ユネスコエコパークは、各国の実情にあわせて運用の多様性がある中で、日本では、地方自治体が主体となって管理運営を行う制度設計が行われた。国が管理主体となる世界遺産など他の自然保護制度とは対照的である。また、国代表・審査組織である日本ユネスコ国内委員会の他に、科学者による日本MAB計画委員会が存在し、様々な支援を行ってきた。綾ユネスコエコパークなどモデル性の高い登録地の存在とも相まって、こうした独自の仕組みを発展させた日本のユネスコエコパークは、世界から注目されている。
その一方で各ユネスコエコパークでは、合意形成のプロセスにおいて様々な問題に直面している。本シンポジウムでは、地方自治体の役所の機能に焦点をあて、ユネスコエコパークの運営の現場で何が起きているかを報告し、可能性と改善すべき点を整理し、それらを踏まえてこの制度の今後の方向性を議論する。
<総合討論>
司会:松田裕之(横浜国大)
コメンテーター:田中俊徳(東京大学)(予定)
[T15-1] ユネスコエコパーク制度の概要と現状
[T15-2] 綾ユネスコエコパークの管理運営
[T15-3] 10市町村による南アルプスユネスコエコパークの管理運営
[T15-4] ユネスコエコパークのガバナンス論・試論