| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-244 (Poster presentation)
都市近郊の孤立林は動植物の避難場所としての役割を果たし,とくに比較的移動能力の低い地表徘徊性の小動物にとって重要な生息場所となる.しかし,土地利用形態や地表部の改変等,外部環境からの影響を受けやすく,生息地として不適化する可能性がある.本研究では,横浜市内の孤立林に生息する動植物の多様性が人為的影響をどの様に受けているかを推測し,今後の適切な管理について考察することを目的とした.異なる4つの植生タイプで土壌動物および哺乳動物の生息状況を調査した結果,土壌動物の多様性は森林,竹林,草地の順に高くなった.また,土壌硬度が高い場所で多様性の低下傾向がみられた.調査地内にはタヌキとハクビシンが生息しており,植物の種子散布者である可能性が示唆された.今後は,これ以上の分断化を抑制し,植生タイプ毎に適切な管理形態を継続的に行っていく必要があると考えられる.