| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P3-072 (Poster presentation)
ハルガヤはユーラシア原産のイネ科の多年生草であり、牧草地の雑草として北海道内で被害が拡大している。また、ハルガヤは強いアレロパシー活性をもつクマリンを高濃度で含有していることが知られている。本研究ではハルガヤの生育とクマリンの蓄積過程を明らかにし、ハルガヤのクマリンが牧草種の初期生育に与える影響について検討した。クマリンに対する感受性は牧草種で異なり、特にチモシーの根部成長を抑制したが、マメ科牧草種への影響は小さかった。プラントボックス法による牧草種への影響評価では、ハルガヤ植物体の近傍でアルファルファの成育が促進された。これらのことから、ハルガヤはアレロケミカルにより、個体近傍の他種の成長を調整し、群落の種構成を制御している可能性が示唆された。