| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P3-085 (Poster presentation)
野外の光環境は時間的に極めて不均一である。これら複雑な光変動に対し、これまで単発的な光強度の増加と減少に対する光合成反応特性の研究が実施されてきた。しかし、中長期的な光照射の変化パターンが植物の機能特性や光合成特性に及ぼす知見は少なく、未だにその影響がよく解っていない。そこで、近年普及してきた栽培用LED光源を用いて、異なる3つの光照射パターンの下で栽培し、葉の機能特性と炭素固定効率に及ぼす影響、特に光照射パターンと成長特性の関係について報告する。対象植物はシロイヌナズナの野生種(WT)と変異体(SL1-2)とし、照射パターンの異なるチャンバーで約2ヶ月間栽培した。強光と弱光の照射パターンは、強光の連続照射が3時間の“長期パターン“、強光の連続照射が20分の“中期パターン“、強光の連続照射が2分の“短期パターン“の3処理とした。その結果、花茎の伸長期と成長速度は品種に関わらず、連続照射時間の長い“長期パターン”個体ほど早かった。このように、光の照射パターンは植物のフェノロジー特性と成長速度を変化させる事が明らかになった。