| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-03  (Poster presentation)

南宮山のニホンジカに関する生態学的調査

*古田未来, 多賀雅弥, 中根源太(岐阜県立不破高等学校)

近年、全国的にニホンジカ(Cervas nippon, 以下シカと記す)が引き起こす農林業被害や森林生態系への影響が拡大している。岐阜県内においても生息頭数および被害状況は増加しており、シカに関する第二種特定鳥獣管理計画が策定され、対策が進められている。
本校は岐阜県の西濃地区に存在している南宮山の山麓に立地しているが、南宮山は独立峰であり、近隣の山々とは幹線道路等により隔絶され、独立した環境にあるといえる。我々は外界からの大型哺乳類の移動についての影響を受けにくい南宮山を密度管理のモデル地域にしていきたいと考えている。その密度管理の指標を検討するために、南宮山に生息するシカの生態を明らかにすることを目的として生態学的調査を行った。
南宮山内の3頭のシカにGPS首輪を装着し、その行動範囲を解析した。また、捕獲されたシカ30頭の食性を胃内容物の調査により把握した。南宮山のシカは基本的にイネ科、カヤツリグサ科の植物を中心に採食する集団であるが、人里に降りて農作物(コメ、クリ)を採食している個体も多かった。
緩衝帯の整備など、ヒトが積極的に生態系に関わりつつ、獣害対策を行っていく指標を今後も研究していく必要が示唆された。


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