| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-04  (Poster presentation)

アブラムシ防除における最適条件

*橋本真諭, 北野智詩(立命館慶祥高等学校)

1. はじめに
一昨年から行っている『アブラムシ防除における最適条件』の研究を引き続き行っている。この研究は農薬を用いないアブラムシの最適な防除法を確立することを最終目的とし、さまざまな条件下におけるアブラムシの生存率及び様子を観察した。

2. 実験方法
今回の実験ではセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ(以下、セイタカ)とヨモギヒメヒゲナガアブラムシ(以下、ヨモギ)を使用した。また条件には、高CO2(30000ppm)、紫外線下の2つを設定した。まず、三角フラスコ、又はシャーレにアブラムシを10匹ずつ入れ、一方はCO2濃度を30000ppmにし、もう一方はシャーレにはクリーンベンチを用いて紫外線を照射した。それぞれの条件下で24時間放置し、その後アブラムシの生存率を計測した。紫外線下の条件においては、厚紙で作ったドームを入れ、アブラムシが紫外線を嫌ってドームの裏に逃避するか観察した。

3. 結果
(ア) 高CO2条件
 高CO2条件のセイタカは生存率の平均は71%、Controlは96%となり、統計的な有意差は見られなかった。また、高CO2条件のヨモギの生存率の平均は94%と非常に高くなった。

(イ) 紫外線照射条件
 一方、紫外線照射条件のセイタカは生存率の平均は67%、Controlは62%となり、紫外線下の方が生存率は高いことがわかった。また、アブラムシはドームに隠れている個体はなく、逃避行動も見られなかった。

4. 考察
高CO2条件下ではControlと生存率の統計的な有意差が見られなかったため、30000ppmでの防除が難しいと考えた。また、セイタカよりヨモギの方が生存率の平均が高いことから、高CO2での防除はセイタカの方が適していると考えた。
紫外線照射条件ではControlよりも生存率が高く、逃避行動も見られなかったことから、アブラムシにとってある程度の紫外線は高環境であると考えた。よって、紫外線が当たらないように遮断すれば、多少アブラムシの数を減らせるのではないかと考えた。


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