| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-22  (Poster presentation)

外的環境が与える活動量への影響

*藤川丈太郎, 小松黎良(立命館慶祥高等学校)

1. はじめに
 最近、ネットの普及や夜間勤務などの増加により、夜型の生活をする人が増えてきている。このような生活リズムの乱れが、人間の日々の活動に何らかの影響を及ぼすのではないかと考えた。先行研究では、飼育しやすいハムスターを用いて、食事時間と光の照射時間を昼夜逆転させる実験によりハムスターの活動量が減少し、生活のリズムに影響が出た。そこで私たちはこれを基に、睡眠妨害と騒音、光の照射時間の操作を行った。ストレスを与えることによって生物の活動量(生物の持つ約24時間リズム)に影響が出るか調べ、生活習慣と活動量の関係性を検証することを目的として実験を行った。

2. 実験方法
ケージに入れたハムスターをインキュベーター内で飼育し、自作のカウンターを作成し、回し車の回転数を毎日計測し、自然状態(control)で2週間飼育した。この回し車の回転数をハムスターの活動量として定義し、活動量を数値として表した。また、監視カメラを用いて、活動の様子を観察した。食事によって差が出ないように、えさを与える時間と量を統一した。
controlの記録を取った後、ハムスターを条件ごとのグループに分けた。ライトの照射時間を19時~翌日7時までに設定した昼夜逆転(他は7時~19時)とライトを照射し続ける条件、夜行性であるハムスターが寝ている13時にハムスターのゲージに振動を与えて、ハムスターを無理やり起こす睡眠妨害条件、騒音条件の4つの条件を設定し、実験を行った。ハムスターは計8匹用いた。

3. 結果・考察
結果は、条件付きとcontrolを比べると、回転数が減少し活動量に影響を与えることがわかった。昼夜逆転の回転数が減ったのは、ストレスによるものと考えた。
このことから外的なストレスはハムスターの活動量に影響があると考えられる。今後はさらに条件以外の部分をできる限り同じにし、データをより正確に出すようにする。


日本生態学会