| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


シンポジウム S06-7  (Presentation in Symposium)

栄養段階の情報を生態学者はどのように使えば良いか?

*陀安一郎(総合地球環境学研究所)

本発表は、シンポジウムの発表内容を受け、アミノ酸代謝に基づく生理的要因で決まるパラメータである「アミノ酸栄養段階」を生態学者がどのように使っていけば良いかに関する議論の種になることを目指したい。ここで考える本手法の特徴は以下に挙げられる。
第一に、前提となる生理的な要因から生態的特徴を決定づけることができる。この特徴は、実験的な生理学と現実の生態的条件の比較することで、実際にフィールド条件で起きていることを明らかにすることができることである。
第二に、「栄養段階上の位置(Trophic position)」として、食物網の構造解析を精緻化できる可能性があることである。「アミノ酸栄養段階」は、生態学者が通常考える「栄養段階」と同じようで異なるので、前提となる系の条件を整理することでTrophic positionを正確に見積もることができる。
第三に、究極的には物質レベルで記録される情報の一つであり、生態系レベルのトレーサーとして活用するためには、他のどの情報と組み合わせるかを考える必要がある。
これらの観点から、当日の発表を受けた議論を行いたい。


日本生態学会