| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-101 (Poster presentation)
様々な群落発達段階に出現するツル植物は,生活史を通じて,異なる光環境を経験する。近年,土地利用の変化や気候変動などに伴いツル植物が世界各地で増加している。日本においても,アレチウリなどの非在来ツル植物の増加に加え,在来種であるクズの繁茂も著しい。このような増加には森林や草地の光環境の変化も一因となったと考えられる。そこで本研究は,在来の温帯性木本ツルの光応答を比較し,成長様式と光環境の関係を解析にすることを目的とした。解析には栃木県宇都宮市の鬼怒川河川敷に自生する温帯性木本ツル(クズ,スイカズラ,ツルウメモドキ,フジ)を用いた。対象とした木本ツルは,光環境を操作した実験系内で栽培し,植物高,基部径,シュート数,器官別バイオマスなどを計測した。これらの計測の結果,葉,茎,根茎へのバイオマス配分,茎の伸長・分枝のパターンなどの違いから,光に対する応答特性の種間差異が示唆された。