| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
シンポジウム S06-7 (Presentation in Symposium)
生物の長距離移動パターンは生態学において最も興味深い現象のひとつである。近年のバイオトラッキング技術の発達によって、陸上の動物だけでなく、海洋でもウミガメ、アシカ、クジラ、サメ、マグロといった動物が太平洋を長距離移動する様子が知られている。本研究では、①脊椎骨に保存された安定同位体比の履歴と②動物プランクトンから構築された太平洋のアイソスケープを用いて、水産重要魚種のひとつであるサケが太平洋を横断する様子の復元を試みた。サケの移動パターンをモデル化するため、サケが存在した太平洋上の位置を状態とした状態空間モデルを作成し、数値積分フィルタによってモデルの同化を行った。個体のバイオトラッキングが困難な魚類においてもアイソスケープが長距離移動パターンの推定に有効であることを示したい。