| 要旨トップ | ESJ66 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
シンポジウム S11 3月17日 9:30-12:30 Room K
昨年神戸で初確認され、騒ぎが全国的に波及したヒアリ。未だ全国からの発見事例が止まらないこの問題に象徴されるように、国際物流の発達は、その恩恵と共に、外来種問題をより切迫したものとして私達にもたらす。外来種問題においては、その被害の解明や防除そのものに目が行きがちだが、それを支える基礎情報を忘れてはならない。生物多様性を切り分け認識可能にするための分類学や、膨大な多様性情報を集積解析可能とするデータベース、そしてそれらの基盤となる博物館コレクションなどである。
本企画では、一般の社会とはかけ離れていると普段は考えられがちな博物館収蔵標本や、分類学を始めとする基礎情報やそれを下支えするリソースの、実社会での活用事例に焦点を当てる。それとともに、お互い間接的に支え合う、こうした基礎学術分野と実社会の相互理解をどう図っていくのか?総合司会に、日本のヒアリ対策最前線に立つ、兵庫県立人と自然の博物館の橋本佳明氏をお招きし、今後、日本で自然史系博物学が社会と共存共栄する、ひとつの道筋としてこの話題を議論したい。
[S11-1]
地球規模の多様性解析と分布データベースが、外来種特定を可能にする
Global biodiversity informatics for tracking the spread of introduced ant species
[S11-2]
日本産アリ類の分類研究が、外来種同定やその市民監視体制に果たす役割
Role of taxonomic studies of Japanese ants for the identification of alien species and the associated citizen-based monitoring system
[S11-3]
博物館収蔵標本によって明らかになる、地域生物相の撹乱と変遷
The disturbance and change of regional biota inferred from museum collections
[S11-4]
生物多様性国家戦略における分類学と多様性情報、コレクションの役割-行政の視点から-
The role of collections in providing data on taxonomy and species diversity for the National Biodiversity Strategy