| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


シンポジウム S12-4  (Presentation in Symposium)

著しい形質多型で広域ニッチを優占するハワイフトモモの全ゲノム解析
Whole genome sequencing of an ecologically divergent Hawaiian tree species

*伊津野彩子(森林総合研究所), 小野田雄介(京都大学), 甘田岳(京都大学), 小林慧人(京都大学), 向井麻那(京都大学), 井鷺裕司(京都大学), Elizabeth A. Stacy(University of Nevada Las Vegas), Tomoko Sakishima(University of Nevada Las Vegas), 清水健太郎(University of Zurich)
*Ayako Izuno(FFPRI), Yusuke Onoda(Kyoto Univ.), Gaku Amada(Kyoto Univ.), Keito Kobayashi(Kyoto Univ.), Mana Mukai(Kyoto Univ.), Yuji Isagi(Kyoto Univ.), Elizabeth A. Stacy(University of Nevada Las Vegas), Tomoko Sakishima(University of Nevada Las Vegas), Kentaro K. Shimizu(University of Zurich)

何世代にもわたる交配実験を通じた純系個体の作出に多大な労力を要する樹木は、シーケンス技術の高スループット化により、ゲノミクスの進展が期待される分類群の一つである。樹木の生態多様化機構をゲノムレベルで理解するために、一種で多様な環境への適応を遂げたハワイフトモモの全ゲノム解読を行った。合計約45G塩基の塩基配列データのde novoアセンブルと、近縁種ゲノム配列との相同性により、偽染色体レベルのアセンブリを得ることができた。また、トランスポゾン配列の網羅的探索に加え、本種の発現遺伝子配列および近縁種のタンパク質配列に基づく遺伝子予測解析により、高精度のアノテーションを得た。 本発表では、ゲノム解読に用いた個体の選定方法や、シーケンスライブラリの種類、de novoアセンブルやアノテーション解析における試行錯誤を紹介し、効率的な新規ゲノム解読について議論する。 また、全ゲノム情報を得て可能になった、集団遺伝解析についても紹介する。


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