| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
シンポジウム S12-5 (Presentation in Symposium)
シーケンスコストの低下に伴って、これまで陽の当たらなかった野生生物でもゲノム情報を用いた様々な研究が可能になっている。すでにゲノムワイドのSNP情報や、発現遺伝子情報は、生態学の分野においてもごく普通に利用される手法である。最近の数年では、これらの部分的な遺伝子情報をより効果的に活用する目的で、全ゲノム情報を取得する研究が増加してきた。現在、複数の異なるプラットフォームを用いた様々なサービスが展開されており、特に生態学をバックグラウンドとする研究者にとっては、どのようなプラットフォームが自分の研究において有用であるかを把握するだけで、時間と労力を費やしてしまう。本発表では、非モデル野生動物である植食性テントウムシの一種において、アジアにおいてほぼ初めて(発注当時)となるDovetail Genomics社が提供するChicago HiRiseという手法を用いて全ゲノム解析を行い、超長scaffoldを得た結果を紹介し、この解析の長所と短所についてお話ししたい。また、取得した全ゲノムデータを利用して種分化の研究にどのような展開が望めるかについても、可能な限り紹介する。