| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


シンポジウム S14-2  (Presentation in Symposium)

送粉ネットワークのジェネラリスト化による送粉機能への影響ー都市と島の生態系を例に
Effect of network generalizatin in plant-pollintor interactions on pollination function -case studies in urban and island ecosystems-

*平岩将良, 清水健将, 丑丸敦史(神戸大・人間発達環境)
*Masayoshi Hiraiwa, Kensho Shimizu, Atushi Ushimaru(Kobe university)

多くの被子植物が花粉媒介を昆虫などの動物(送粉者)に依存している。このような植物―送粉者間の相利共生関係は、重要な生物種間相互作用のひとつとして古くから研究が行われてきた。近年、群集レベルの植物―送粉者相互作用を、「植物と送粉者という2種類の頂点からなる2部ネットワーク(送粉ネットワーク)」として捉えた研究が盛んに行われるようになってきた。送粉ネットワーク研究では、ネットワークパラメータ(connectance, interaction evenness, niche overlap, nestedness, modularityなど)を用いて、ネットワークの構造について解析し、生態系の安定性などの評価を行う。しかし、ネットワーク構造が生態系の安定性や植物群集の繁殖成功に与える影響については理論的に予測されているのみであり、実際のデータを用いた検証は行われていない。
本研究では、都市と島の送粉ネットワーク(都市:都市部においてネットワークがジェネラリスト化;島:本島と比較して海洋島ではネットワークがジェネラリスト化)を例に、送粉ネットワークのジェネラリスト化が送粉機能に与える影響について検証を行った。発表では、各ネットワークパラメータと繁殖成功の関係について検証し、植物―送粉者間の相互作用をネットワークと捉えて研究することが有用であるか否かについて議論を行う。


日本生態学会