| 要旨トップ | ESJ66 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
シンポジウム S14 3月19日 9:30-12:30 Room B
生態学が対象とする現象は複雑である。例えば、食物網、植物と昆虫の群集、微生物叢、動物社会などは、多数の要素が絡み合って機能している。我々がこのような複雑な現象に立ち向かうとき、どのような見方で挑めばよいのだろうか?有効な方法の一つは、要素と要素同士の関係性から構成されるネットワークとして現象を眺めることである。ネットワークとして眺めることによって、少ない情報量で、複雑な対象から重要な性質をあぶり出すことが可能になる。例えば、生物種とそれらをつなぐ種間関係はネットワークとして表せ、どの種が群集の中で重要な役割を果たしているかを明らかにすることができる。ネットワークの研究自体は、主にこの20年で様々な研究領域をまたぐネットワーク科学として発展し、特に解析手法の発展や理論的側面の理解が充実した。一方、生態学では、測定技術の発展に伴い、多数の要素からなる様々な時空間スケールの大規模データが取得できるようなってきた。そのため、ネットワークという観点から生態学の現象を解析する機が熟したと言える。本シンポジウムでは、群集、種間・種内相互作用、微生物叢、動物社会といった複雑な現象を対象に、ネットワークとして捉えて研究を進めている新進気鋭の若手研究者にお話しいただき、生態学における現象をネットワークの観点から研究することで何が理解できたか、ネットワークとして眺めることの利点・欠点などの現状の把握、さらにこれからの生態学とネットワーク科学の展望について議論したい。
[S14-1]
動物行動学におけるネットワーク解析 ー社会性昆虫アリのネットワークを例にー
Network analysis on animal behavior: network structures in social insects
[S14-2]
送粉ネットワークのジェネラリスト化による送粉機能への影響ー都市と島の生態系を例に
Effect of network generalizatin in plant-pollintor interactions on pollination function -case studies in urban and island ecosystems-
[S14-3]
生態系デザインに向けた動物・植物・真菌・細菌・その他いろいろネットワーク分析
Network analyses of animals, plants, fungi, bacteria, etc for ecosystem design
[S14-4]
理論とデータをつなぐネットワーク生態学:ネットワークのマクロ生態学研究を例にして
Network ecology connects theory with data: macroecological studies of networks
[S14-5]
網羅的生態時系列で明らかにする時間変動する農生態系相互作用ネットワーク
Time-varying interaction networks of an agricultural ecosystem reconstructed by multispecies ecological time series
[S14-6]
ネットワーク科学の最前線と情報生態系
Network science and Information ecosystems