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ESJ56 企画集会 T17
3月19日17:30-19:30 F会場

サロベツ湿原の保全再生にむけた泥炭地構造の解明と湿原変遷モデルの構築

企画者: 冨士田裕子(北大・植物園)


国立公園にも指定されている北海道北部のサロベツ湿原では、排水や農地開発の影響で湿原環境の悪化と湿原植生の退行が顕在化し、平成17年1月に発足した自然再生協議会で再生事業にむけて議論が進められている。事業の実施のためには、調査研究によって、1)長期的な環境や生物相の変化とその関係の理解、2)現在確認される生態系の変化の機構解明とそれに対する人為的影響の程度の評価、3)1および2の情報をもとにした今後の変化予測、4)1から3をもとにした具体的な再生目標の設定と再生・管理技術の提案が不可欠である。本集会では、サロベツ湿原で実施しているプロジェクト成果として、湿原の形成過程と環境・植生変動、湿原の構造を支配する泥炭生成のメカニズムと水文環境という、千年単位の湿原の変化について報告し、近年問題となっているササ群落の拡大という数十年の変化、そして湿原内の各地点で集められている様々な現地調査データを空間的に評価し、今後の広域的・長期的な変化予測に結びつけるという研究成果について報告する。そして、湿原生態系の解明に何が重要で、湿原生態系の修復・維持管理技術の開発へどのように寄与できるのか、参加者とともに議論したい。

コメンテーター:鷲谷いづみ(東大・農学生命科学)、岩熊敏夫(北大・環境科学)

[T17-1] 趣旨説明:泥炭地湿原の形成過程とその構造の解明への取り組み 冨士田裕子(北大・植物園)

[T17-2] サロベツ湿原の植生形成過程 紀藤典夫(北海道教育大)・シュテファン・ホーテス(ギーセン大学)

[T17-3] サロベツ湿原の水質と湿地溝の形成 岡田 操(水工リサーチ)・橘 治国(北海道水文気候研究所)

[T17-4] ササ群落拡大の要因と微気象環境への影響 藤村善安(北大・植物園)・高橋英紀(北海道水文気候研究所)

[T17-5] リモートセンシングとGISからみた湿原環境因子の空間分布構造 高田雅之(北海道環境科学研究センター)・井上 京(北大農学院)


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