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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P2-227

札幌市茨戸川支流におけるアメリカザリガニの分布及び越冬要因の推定

*石山ちえみ(酪農学園大・環境),吉田剛司(酪農学園大・環境)


アメリカザリガニ(Procambarus clarkii)は寒冷な気候に順応できないため北海道においては温泉排水が流入する一部の河川のみで定着が可能とされていた。しかし近年、札幌周辺の下水処理水が導水されている河川でも定着が確認されており、越冬を可能とする要因として冬期でも水温が高く保たれる下水処理水の導水が考えられる。下水処理場は道内各地に点在しているため、今後も本種の分布域の拡大が予測される。そこで本研究では、札幌市茨戸川支流をモデルとしアメリカザリガニの越冬要因を推定した。

2009年夏期より茨戸川周辺の11河川に71個のカゴ罠捕獲による分布域調査を開始した。更に越冬要因を推定するため、本研究では冬期に渇水しない8河川に11月から2月に49個のカゴ罠を設置し、アメリカザリガニが冬期も活動状態にあるかを調査した。残り3河川(冬期に渇水する河川)では棲管の形成について観察し、泥温、間隙水位を測定した。結果として、8河川のうち下水処理水が導水されている河川においてはアメリカザリガニが冬期も活動状態にあることが確認できたが、下水処理水を導水していない河川ではアメリカザリガニの生息が確認できなかった。冬期に渇水する河川でも本州の越冬時と同様に地下水面まで棲管を形成している個体が確認された。


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