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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-273

移動している野生動物検出のための隣接画像間の対応点取得アルゴリズム

*大石優(筑波大), 松永恒雄(国環研)


ヒトと野生動物の共生には、野生動物の個体数管理などが不可欠である。そのため、個体数を統計的に推定する各種手法の研究が行われてきた。しかし推定法には各種誤差が含まれるので、いくつかの手法を併用せざるを得ない。またこれらの多くは調査に人手と時間がかかるので、広域調査が困難である。そのため広域情報が得られ、尚かつ既存の手法と併用できる新たな調査手法の開発が求められている。

一方、航空機リモ-トセンシングでは、地上観測に比べて広域の、衛星に比べて高解像度の情報が得られる(使用した画像は20平方キロメ-トルの範囲を9分間で撮影、画素サイズ8cm)。

そこで我々は、航空機デジタル画像中の歩いている野生動物を自動抽出するアルゴリズムを開発した。本アルゴリズムでは、まず隣接画像間の重ね合わせが必要であるが、現在、目視で対応点を見つけて行っているので多くの工数がかかることが問題となっている。また多くの樹木を含む領域では、画像に写った木は「倒れ込み」により、隣接画像に写った木とは、位置や形が異なって写る。そのため既存の画像マッチング手法では、誤った対応点をとってしまう。そこで我々は木の根元に注目した。木の根元は「倒れ込み」の影響を受けないので、対応点として使用できる。

本研究では、多くの樹木を含む領域で適用可能な画像マッチング手法の開発を行った。木の根元を抽出するためには木そのものを抽出する必要があるので、まず単木抽出を行った。次に抽出した線のうち最も画像中心に近い点を木の根元と仮定し、対応点候補とした。そして隣接画像間で対応点候補を比較することで対応点を決定し、幾何変換を行うことで画像マッチングを行った。


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