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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-275

様々な管理手法による竹林の環境経済的評価-兵庫県淡路地域のケ-ススタディ-

*池野優子(阪大・工), 松井孝典(阪大・工),町村尚(阪大・工),加藤悟(阪大・工)


現在、放置された竹林が社会問題となっている。放置された竹林は時間と共に分布を拡大し、木材生産の妨げになったり、竹の単純植生となって生物多様性の低下をもたらしたりする。しかし竹の成長は早く、バイオマス資源として有用な面もある。よって地域住民が竹林をどうするか(竹林管理アプロ-チ。今回は駆逐、持続利用、放置)を決めるためには、竹資源の隠れた環境・経済的価値を明確にする必要がある。そこで本研究では地域の竹林管理計画を支援するため、竹林管理の環境竹林管理の環境・経済的評価ツ-ルの開発を行った。このツ-ルは竹林管理アプロ-チとそれに対応した竹林管理手法(皆伐、輪伐、択伐、筍栽培)、各利用可能竹資源量の推計、竹資源利用オプションの環境・経済の多次元評価で構成される。ここで、竹林には主に、食料、燃料、繊維、木材資源の供給サ-ビスがあるが、本研究では建材、筍栽培、パルプ、ペレット飼料、竹粉(肥料)、炭(肥料・小物)、バイオエタノ-ルを利用オプションとして扱い、?生物多様性影響、?低炭素効果、?経済性、?自給可能性の視点から評価した。低炭素効果は炭素貯留効果とLC-CO2、経済性は粗収入、自給可能性は需給バランスとし、様々な情報源からデ-タを収集し、ツ-ルを構築した。ツ-ルを用いて竹林単位面積あたりの分析を行った結果、低炭素効果ではバイオエタノ-ル、次いで建材に優位性が、経済性では建材、竹炭に優位性があることが明らかとなった。このツ-ルを用いて兵庫県淡路地域でケ-ススタディを行い、ツ-ルの実用性を検討すると共に、ヒアリングによって計算過程の検証と結果の妥当性評価、有効性の評価を行った。以上より、どのアプロ-チ・利用オプションを選択するべきかは一長一短あり、導かれる結果は地域特性にも大きく左右されるが、このツ-ルを活用して竹林管理計画を支援できるということができた。


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