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ESJ58 企画集会 T14
3月10日 9:30-11:30 I 会場

景観変化と生物多様性の時間的ダイナミクス

企画者: 小柳知代(農環研), 富松裕(東北大・生命科学)


現在見られる生物多様性のパタ-ンは、現在だけでなく、過去の景観構造を反映していることが少なくない。これは、種の絶滅や定着が、景観や環境の変化に対して遅れて生じることで、多様性が一時的に過剰になる、または不足するために生じる。このような種の応答のタイムラグ("extinction debt"や"colonization credit" などと呼ばれる)を考慮することは、効果的な保全・管理策を講じる上で極めて重要である。例えば、多くの種で絶滅までのタイムラグが大きいとき、今後失われる生物多様性の減少量を過小評価してしまう可能性がある。また、生息地を復元する際、分散能力の低い種が定着し種多様性が回復するまでには、数百年を要する場合もある。本集会では、異なる歴史的背景を持つ地域において、植物、哺乳類、陸生貝類、鳥類の幅広い分類群を対象として行われた研究例を通じて、変動環境下における生物多様性の時間的ダイナミクスを明らかにする重要性について議論したい。

[T14-1] 生物多様性の時間的ダイナミクスをめぐる概念と保全・管理への示唆 富松裕(東北大・生命科学)・小柳知代(農環研)

[T14-2] 関東平野における草原生植物の種多様性パタ-ンと景観の履歴 小柳知代・楠本良延・山本勝利(農環研)・大久保悟・武内和彦(東大院農)

[T14-3] 哺乳類の分布パタ-ンと景観の履歴 斎藤昌幸・小泉恵佑(横浜国大・環境情報)

[T14-4] 小笠原諸島における陸生貝類の種多様性パタ-ンと景観の履歴 千葉聡(東北大・生命科学)

[T14-5] 利根川下流域の水田地帯におけるシギ・チドリ類の春季の分布パタ-ンと景観の履歴 西川雄太(東大・生物多様性)・木本祥太(東大・生態環境調査)・天野達也・D.S.スプレイグ(農環研)・加藤和弘(東大・生態環境調査)・藤田剛・樋口広芳(東大・生物多様性)


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