日本生態学会 関東地区会

公開シンポジウム: Hierarchical modelling for the environmental sciences

概要

日時  2012年6月21日(木)13:00~17:30

会場  中島記念ホール(東京大学 弥生キャンパス フードサイエンス棟2F)

企画者  山中武彦(農業環境技術研究所)

近年、生態学的データは、環境変動や測定誤差、個体ごとのブレなど、様々な種類の不確実性を含んでおり、これらを総誤差としてまとめるような古典的なアプローチでは、データの背後に潜む生態学的プロセスを、誤って解釈しかねないことが明らかになってきた。こうした複雑な生態学的データの解析のため、データの誤差の出所を明確に構造化した確率モデルと、そのモデルをデータに当てはめる統計手法(ベイズ統計など)が使われ始めている。

本シンポジウムでは、この分野の牽引役として世界的に著名な2名の研究者をお招きして、大学院レベルの講義をしていただき、階層モデルアプローチの理解増進に努めると同時に、この分野で業績のある日本の若手研究者に研究紹介を行ってもらい、研究交流を進める予定である。

謝辞:お2人は22-23日に統計数理研究所で行われる統計科学の国際会議BayesComp2012のために来日されます。お2人を紹介いただいたBayesComp2012の組織委員の皆様と統計数理研究所に感謝します。

プログラム

13:00-13:15 山中武彦(農業環境技術研究所)
趣旨説明
13:15-15:00 レクチャー

James S. Clark(Duke University, USA)
Why spring phenology models don't work and how to fix them:Hierarchical modeling shows strong climate sensitivity

Alan E. Gelfand(Duke University, USA)
Explaining Species Distribution Patterns Through Hierarchical Modeling

15:15-17:15 ミニプレゼンテーション

深澤圭太氏((独)国立環境研究所)
Spatio-temporal capture-recapture model: how does spatial structure bias the mortality estimation?

仁科一哉氏((独)国立環境研究所)
Short term effect of tree logging on nitrous oxide flux from soils; focusing on belowground tree-soil interaction

櫻井玄氏((独)農業環境技術研究所)
Application of Bayesian method to the estimation of the past effect of the increase of atmospheric CO2 concentration on crop production