日本生態学会 関東地区会

公開シンポジウム: 第1回日本発デモグラファー会議

概要

日時  2018年 11月9日(金),10日(土)

会場  東大駒場キャンパス

企画者  高田壮則(北大・地球環境),Richard Shefferson(東大・教養)

デモグラフィー(人口統計学)は長い歴史を持つ学問であるが、生物学では、人間を対象とするだけではなく、動植物の一生を研究する学問分野も同じ名称を持ち、20世紀後半からその研究は盛んに行われ、数理モデルをもちいた基礎理論が確立されている。基礎理論は通常の大学の講義ではカバーしきれないほどの量であるため、基礎理論に精通する学生・研究者は少なく、デモグラフィー研究に携わる研究者も日本ではそう多くはない。そこで、若手デモグラファーを育成するために、学生・若手研究者たちの教育を目差すワークショップと、国内のデモグラファーが最新研究結果とアイデアについて話し合うためのシンポジウムを企画した。

ワークショップ

日程  2018年 11月9日(金)9:30-18:00

会場  駒場国際教育研究棟(東京大学駒場キャンパス内)

(1)「行列モデルを使った集団生物学:超入門編(生命表から齢構成モデルまで)」西村欣也(北大・水産) 駒場国際教育研究棟110室 注:3, 4年生,修士課程の皆さん向け。初学者,学んでおきたい人に最適。

(2)「行列モデルを使った集団生物学:発展編(生育段階構成モデルとその基本統計量)」高田壮則(北大・地球環境) 駒場国際教育研究棟314室 注:修士課程以上向け。実際に使ってみたい、関連論文を理解するために学びたい人向け。できれば,ワークショップ(1)を学んでから受講してほしい。

(3)「個体群行列データベースCOMPADRE・COMADREの使用法(R演習とともに)」 川合由加(北大・地球環境) ※2019年5月開講予定 注:修士課程以上向け。実際にデータベースを見てみたい人向け。できれば,ワークショップ(2)を学んでから受講してほしい。

シンポジウム

日程  2018年 11月10日(土)10:00-17:00

会場  21 KOMCEE West(東京大学駒場キャンパス内)

Demography という単語はよく「人口統計学」と訳されますが、生物学では一般の生物集団の統計データを扱う学問を指す言葉として使われます。ですから、人間を対象とする研究者も植物を対象とする研究者も実は「デモグラファー」ですが、今のところそういう名前を冠する学会はありません。そこで、このシンポジウムは日本にいるデモグラファーたちの情報交換の場、デモグラフィー研究の理論や手法の学習の場を提供する目的で開催されます。動植物、人間の生物集団統計を扱った最新の理論・応用研究を紹介します。

講演タイトル 

  • 「観測スケールの違う場合にデモグラフィーはどう変わるか?-マクロ・ミクロスケールを比較して- 」 シェファーソン博士(東大・総合文化)
  • 「生活史の可塑性と学習を取り込んだ寄生蜂の推移行列解析」 嶋田正和・笠田実・長瀬泰子(東大・総合文化)
  • 「ヒト集団を対象にした個体群生態学研究」 梅﨑昌裕(東大・医)
  • 「個体群行列データベースCOMPADRE・COMADREの紹介と使用例」 川合由加(北大・地球環境)
  • 「弾性度行列と流れ行列に基づく在来種と外来種の比較解析」 横溝裕行(国立環境研)
  • 「ランダム行列と生活史行列データベースを用いた弾性度解析」 高田壮則(北大・地球環境)