日本生態学会 関東地区会

公開シンポジウム
  「生態学×動物行動学の新たな展開:人為活動が動物の行動変化を介して生態系機能・サービスにもたらす影響」

日時
2024年8月7日(水) 13:00~17:00

場所
東大農学部弥生講堂アネックス セイホクギャラリー
https://www.a.u-tokyo.ac.jp/campus/overview.html

企画趣旨
生態系の機能やサービスを測ることは、生態系の保全や管理を行ううえで欠かせない。これまで生態学では、生息地や生物の数や分布の視点から生態系機能・サービスに関する研究が数多くなされてきたが、重要な要素が見過ごされてきた。それは、人為活動に対する動物の「行動変化」である。実際に最近の研究から、人間活動の変化(都市化や人口減少等)は様々な形で動物の行動を変化させ、潜在的に生態系のプロセスやそこから生み出されるサービス・ディスサービスに広範な影響を及ぼし得ることが分かってきた。例えば、送粉や種子散布、獣害問題は、特定の種や個体の行動に強く依存するため、こうした行動変化による影響を大きく受けやすいだろう。にもかかわらず、このトピックに関する体系的な議論や実証研究は、これまで全くと言っていいほど行われてこなかった。本シンポジウムでは、国内外から多様なバックグランドを持つ第一線で活躍する研究者を招き、人為的な動物の行動変化が生態系サービスに及ぼす影響を議論する。

参加申し込み
登録フォーム: https://forms.gle/j31qDPb2YS5krsSQ6

内容
12:30 開場
13:00-13:10 シンポジウムの説明

13:10 - 13:50
Dr. Daniel Blumstein (カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
『Translational Behavioral Biology: Linking Antipredator Fear to Ecosystem Services in the Anthropocene』

13:50 - 14:00 休憩

14:00 - 14:15
富田幹次(高知大)
『Ecosystem consequences of animal behavior change: A case of brown bear digging for cicada nymphs』

14:15 - 14:30
先崎理之(北海道大学)
『Animal behavior in degraded sensory environments: implications for management of ecosystem services』

14:30 - 14:45
稲垣亜希乃(東京農工大学)
『Human impact on vertebrate scavenging: What can the behavioral change of keystone scavengers bring?』

14:45 - 15:00
片平浩孝(麻布大学)
『Tangled misery: unexpected zoonotic diseases attributed to human activities』

15:00 - 15:15
青田雄太郎(東京大学)
『Exploring the impact of animal behavior changes on human-nature interactions』

15:15 - 15:30
久保雄広(国立環研究所)
『Wildlife viewing: How can we maximize the economic benefits and minimize ecological impacts?』

15:30 - 15:40
内田健太(東京大学)
『Impact of wildlife’s increased tolerance to humans on ecosystem services and disservices』

15:40 - 15:50 休憩

15:50 - 16:45 グループワークディスカッション・総合討論