| 要旨トップ | ESJ56 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
企画集会 T02 -- 3月18日17:30-19:30 C会場
休眠性は重要な季節適応である。日本では、コオロギの体サイズを休眠との関連で解き明かした正木進三氏をはじめ、休眠研究の歴史は長い。しかし、最近の研究では休眠性の生理的特性の解明が主流となり、モデル生物では遺伝子レベルの休眠発現メカニズムが明らかにされようとしている一方で、休眠が生物の生活環の形成にどう関与しているか、また多種との関わり合いの中でどのような役割を果たしているかというマクロの視点からはあまり研究が進んでいない。休眠性は表現型可塑性の代表例として重要なものであり、生活環の中で、休眠がどのような役割を果たしているかが明らかになっていないことは不幸な状態である。
この企画集会では、休眠性の可塑性のコストや、フィールド生態学との融合を試みている例など、個体レベル以上の進化生態学の視点からとらえた研究例について紹介し、今後の休眠研究の方向性について議論することを目的とする。
[T02-1] 趣旨説明:休眠研究をとりまく現状と課題
[T02-2] 休眠が昆虫の生活史形質に与えるコスト
[T02-3] シカが植物の質の変化を介してジャコウアゲハの休眠性を変える?
[T02-4] 近縁種の存在が化性を決める? 気候適応では説明できない化性の地理変異
[T02-5] コメント